
家を建てるときには、自分らしさにこだわった洗面台を作りたいと思うことはありませんか。毎日使う場所だからこそ、デザインや使い勝手にも妥協したくないものです。
既製品のデザインでは満足できない方には、オーダーメイドで自由に設計できる「造作洗面台」がおすすめです。
しかし、「そもそも造作洗面台ってどういうもの?」「造作洗面台をつけて後悔しない方法は?」など、さまざまな疑問が出てくることもあるでしょう。そこで本記事では、造作洗面台の種類や魅力、注意点まで詳しく解説します。
造作洗面台とは?

造作洗面台とは、既製品ではなくオーダーメイドで作る洗面台のことです。設計段階から間取りや暮らし方に合わせてデザインし、職人が現場で製作・設置していきます。
一般的な既製品の洗面台は規格サイズがあり、デザインや機能があらかじめ決められています。しかし、造作洗面台なら自由度が高いため、サイズや形状、素材、収納の配置まで細かく調整できます。「収納を多めにしたい」「お気に入りのタイルを使いたい」など、理想の洗面台を作りたいときにはぴったりの選択肢です。
近年、注文住宅やリノベーションを検討している人たちの中で、注目を集めています。
造作洗面台を作るなら知っておきたい!洗面台の4つの種類

洗面台は、デザインや洗面ボウルの取り付け方法によって大きく4つのタイプに分けられます。
1. カウンター一体型
2. 置き型ボウル
3. 半埋め込み型
4. 壁付け型
このうち、造作で柔軟に対応できるタイプもあれば、既製品の方が使いやすく仕上がるタイプもあります。それぞれの特性を理解し、目的や空間に合ったスタイルを選ぶことが大切です。
1. カウンター一体型

カウンター一体型は、洗面ボウルとカウンターが一体になったタイプです。継ぎ目がないため掃除がしやすく、すっきりとした印象を与えます。
量産しやすく、品質も安定していることから、既製品の洗面化粧台によく採用されています。オーダーで造作することも可能ですが、素材や加工方法によってコストが高くなる傾向があるため、既製品を選ぶほうが手軽に導入しやすいスタイルといえるでしょう。
2. 置き型ボウル

置き型ボウルは、カウンターの上に洗面ボウルを乗せるタイプで、ボウルの形状や素材を自由に選べる点が魅力です。陶器製はもちろん、ガラスや金属製など多様なデザインがあり、好みのインテリアに合わせることができます。
配管の位置やカウンターの素材に柔軟に対応できるため、造作で作りやすいタイプです。オリジナリティを出したい方や、空間に合わせて一から設計したい方に特におすすめします。
3. 半埋め込み型

半埋め込み型は、洗面ボウルの一部をカウンターに埋め込み、上部を少しだけカウンター上に出すタイプです。立体感のあるデザインが特徴で、見た目にアクセントを加えたいときに適しています。水はねを抑えつつ、カウンターの広さも確保しやすいため、バランスのとれたスタイルといえます。
造作でも作りやすいため、ボウルのデザインや配置にこだわりたい方におすすめのスタイルです。
4. 壁付け型
洗面ボウルを直接壁に取り付けるタイプです。足元がすっきりと見え、掃除もしやすいのが特徴です。モダンでミニマルなデザインを好む方におすすめです。
造作洗面台をつける魅力

既製品でスタイリッシュな洗面台も多数ある中で、造作の洗面台をつける魅力には、主に以下の4つがあります。
・自分好みのデザインが実現できる
・オリジナルな形状や寸法で作れる
・素材も自由に選べる
・使い勝手にあわせて収納も作れる
それぞれの魅力について、詳しく解説していきます。
自分好みのデザインが実現できる
造作洗面台の一番の魅力は、自分の理想のデザインを実現できることです。シンプルモダンからナチュラル、インダストリアルまで、好みのインテリアに合わせたデザインで洗面台を演出できます。
既製品では見つからない独特のテイストや、他にはないオリジナルデザインを追求したいときにはぴったりです。
オリジナルな形状や寸法で作れる
限られた空間を有効活用したい場合や、特殊な形が必要な場合でも、造作洗面台なら柔軟に対応できます。コーナーを活用したL字型の洗面台や、天井の梁に合わせた変形カウンターなど、空間に合わせたオーダーメイドが可能です。
「家族の身長にあわせてカウンターを高くしたい」「大人が二人並べるくらい幅を広くしたい」など、ライフスタイルに合わせて好きなように作れるのも造作洗面台の魅力です。
素材も自由に選べる
造作洗面台なら、カウンター材からボウル、水栓まで、好みのデザインの素材を選ぶことができます。無垢材を使った温かみのあるカウンター、ニューヨークスタイルのタイル貼りの洗面室にしたいなど、好みの建材を使うことができます。
デザインの美しさと、機能性を両立した素材選びができるのも造作洗面台ならではの魅力です。
使い勝手にあわせて収納も作れる
家族の生活パターンに合わせた収納を作れることも、造作洗面台の魅力です。化粧品やタオル、掃除用品など、普段家族が使っている容量にあわせて、収納スペースを設計できます。
「タオルを収納するために棚をつけたい」「ドライヤーや化粧品をすぐ取り出せる場所に置きたい」など、使いやすさを重視した収納をつけることもできます。
隠したいものは見えない場所に、よく使うものは手の届きやすい場所に配置するなどの工夫ができるのも造作洗面台ならではと言えます。
また、新築住宅で収納をつくるときには、造作家具をつけるのも方法の1つです。造作家具については、以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
関連記事:造作家具で叶える理想の住まい。作成例や造るときの注意点も解説
造作洗面台をつけるときの注意点

完成してから「使い勝手が悪かった」「イメージと違った」と後悔しないためにも、造作洗面台をつくるときには、事前にポイントを知っておきたいものです。主に、以下3つの注意点を押さえましょう。
・仕上がりのイメージを建築会社と共有しておく
・予算をオーバーしないよう優先度を決めておく
・メンテナンスのことも考慮して選ぶ
それぞれのポイントを、詳しく解説していきます。
仕上がりのイメージを建築会社と共有しておく
造作洗面台はオーダーで作っていくため、打ち合わせ中に完成品を目で見ることができません。そのため、設計段階で仕上がりのイメージを建築会社としっかりと共有することが重要です。
参考写真や実物サンプルを用意してもらい、色合いや質感、機能面の打ち合わせを十分に行いましょう。施工事例の写真を見せてもらうなどして、イメージを擦り合わせていくことも大切です。
予算をオーバーしないように優先度を決めておく
造作洗面台は既製品と比べると、材料費や施工費が高くなる傾向にあります。そのため、予算の上限を決めて、どの部分にこだわるかの優先順位を決めておくことが大切です。
全てをオーダーメイドにするのではなく、鏡など一部は既製品を活用する、照明器具は自分で購入するなど、コストを抑える工夫があれば取り入れましょう。
メンテナンスのことも考慮して選ぶ
好みのデザインで作った洗面台を長持ちさせるためには、メンテナンスのことを考慮しておくことも大切です。木製のカウンターや陶器のボウルなど、選ぶ素材によってお手入れ方法は異なります。
特に、天然木を使用する場合は、ワックスがけや再塗装が必要になることもあるため注意が必要です。美しさを長持ちさせるためのランニングコストも考慮して、素材を選びましょう。
木工産で造作洗面台をつけた事例

ここでは、大工産が施工した注文住宅の中から造作洗面台をつけた事例を紹介します。木の温もりを感じる造作洗面台は、ナチュラルな雰囲気の空間に似合います。
手元は白のタイル張りで、清潔感のあるシンプルなデザインです。鏡の上に設置された裸電球が、レトロで温もりのある雰囲気を演出していますね。
カウンターの手前側に取り付けられたアイアンのタオルバーは、洗顔や手を洗った後、すぐに使えて使い勝手も抜群です。清潔感と心地よさがポイントの造作洗面台ですね。
造作洗面台が得意な建築会社に依頼しよう
自分の好みにぴったりあった造作洗面台をつけるためには、豊富な経験を持つ建築会社に依頼することをおすすめします。設計力だけでなく、施工技術や建材に関する知識に加えて、要望を形にする提案力のある建築会社を選びましょう。注文住宅で造作洗面台にこだわるなら、大工産の注文住宅もぜひ検討してみてください。