
注文住宅に関する情報を探していると、造作家具をつけた事例を目にすることもあるでしょう。「せっかく新築を建てるなら、空間を無駄なく使って、おしゃれで使いやすい家にしたい」「造作家具は使いやすいと聞いたけど、実際に何ができるの?」といった疑問を持つ人も多いかもしれません。
暮らしにフィットした収納や作業台をつくれる「造作家具」は、新築住宅を建てるときに検討したいものです。
そこで本記事では、キッチンやリビング、洗面室など部屋別の作成例を紹介しながら、造作家具のメリットや取り入れる際の注意点についてわかりやすく解説します。
造作家具とは?

造作家具とは、素材や色を自由に選んで、壁や床などに取り付けるオーダー家具のことを指します。用途や建物の形にあわせてオリジナルで作るため、空間を無駄なく活用できるのが特徴です。
建物と一体化したデザインを選び、インテリアに統一感を持たせられるのも造作家具の魅力です。収納力や機能性も高く、使い勝手を決めることができるため、家づくりを検討している人たちの中で人気を集めています。
【部屋別】造作家具の作成例

造作家具と聞いても、具体的にどのような家具がつくれるのかイメージが沸かないこともあるでしょう。ここでは、部屋別に造作家具の作成例を解説します。
キッチン・ダイニング
キッチンやダイニングでは、造作家具でカウンター収納やベンチ収納などがつくれます。たとえば、カップボード(食器棚)にカウンター収納を造作すれば、家電や食器をすっきりと整理できます。
ダイニングでは、ベンチ型の収納が人気です。座面の下を収納スペースとして活用できるため、省スペースで実用性も兼ね備えています。
リビング
リビングは家族が集まる空間でありながら、収納やインテリア性も重視したい場所です。たとえば、テレビボード一体型の壁面収納などを、造作家具でつくれます。
映像機器や配線をすっきりと隠しながら、本棚や飾り棚を組み込めるため、収納力とデザイン性を両立できるでしょう。
また、近年はリビングに子ども用の学習スペースを作る家庭も増えています。勉強に必要な道具を収納する引き出しをつけたり、コルクボードを壁につけるなどのアレンジも、造作家具なら実現しやすいのが魅力です。
洗面室
限られたスペースで脱衣や洗面の作業をする洗面室は、造作家具が特に重宝される場所です。たとえば、好みのデザインの洗面ボウルをつけた洗面カウンターなどもつくれます。
また、共働き世帯に人気なのが、ランドリー用のカウンター収納です。アイロン台としても使えて、カウンター下を収納にすればタオルや肌着をしまっておくこともできます。
さらに、洗面室の隣にウォークインクローゼットを配置すれば、「洗う・干す・畳む・しまう」の一連の作業を手軽に済ませられるでしょう。
子ども部屋・寝室
子ども部屋では、壁面にぴったり設計された学習デスクや本棚などをつくれます。散らかりやすい学用品を、すっきりと収納したいときに役立ちます。
また、寝室ではベッド下に引き出し収納を組み込めば、衣類をスマートに整理でき、空間を有効活用できます。インテリアを統一すれば、落ち着いた雰囲気の寝室を演出できるのも、造作家具ならではのつくり方です。
造作家具の魅力

造作家具には、既製品の家具にはない以下3つの魅力があります。
- 使い勝手にぴったりあった形で作れる
- インテリアにあわせて好きな色や素材で作れる
- 地震のときに倒れるリスクが少ない
それぞれの魅力について、詳しく解説していきます。
使い勝手にぴったりあった形で作れる<
造作家具の魅力は、使い勝手にぴったり合った形で作れることです。ミリ単位で寸法を指定できるため、設置場所や手持ちのアイテムに合わせて、ジャストサイズの家具が欲しいときにも最適です。
たとえば、既製品では隙間ができてしまう空間にぴったり収まる収納棚や、手持ちの家電にあわせた高さのキッチンカウンターなど、生活スタイルにあわせて寸法を決められます。幅も奥行きも高さも、オリジナルで計画できるのが、造作家具の魅力です。
インテリアにあわせて好きな色や素材で作れる
造作家具の魅力のひとつは、インテリアに合わせて色や素材を選べることです。既製品だと木目の色が家のスタイルに合わない、といったことも少なくありません。
造作家具なら、内装のテイストや床・壁の色にあわせて設計するため、統一感のある空間に仕上がります。特に、新築住宅であれば、窓枠やキッチンと同じ色を選ぶことも可能です。実現したいインテリアにあわせて自由にコーディネートできるのは、造作でしか実現できない方法です。
地震のときに倒れるリスクが少ない
造作家具の魅力のひとつは、地震の際に倒れるリスクが少ないことです。家具の転倒はケガや火災の原因にもつながるため、安全な暮らしを求めるときには欠かせないポイントです。
造作家具は、壁や天井、床にしっかりと固定して設置するため、揺れによって転倒するリスクを減らせます。置き家具でも固定はできますが、金具をつけると見た目を損ねるため、ためらう人もいるでしょう。
造作家具なら、安全かつ見た目のデザイン性も損なわずに製作が可能です。
造作家具をつけるときの注意点

造作家具をつけるときには、事前に注意点も理解しておきたいものです。ここでは、以下2つの造作家具をつけるときの注意点を解説します。
- 造りつけると簡単には移動できない
- コストが高くなることもある
それぞれ詳しく見ていきましょう。
造りつけると簡単には移動できない
造作家具をつける際の注意点のひとつは、一度造りつけると簡単には移動できないことです。壁や天井、床などに固定するため、移動や撤去するときに手間がかかり、ビス穴が残ったり、壁紙や床材の補修が必要になることもあります。
そのため、将来の模様替えやライフスタイルの変化も考慮して計画することが大切です。例えば、収納棚を固定棚ではなく可動式の棚にしておくことで、将来的にしまうものが異なったときにも対応できます。
長く使い続けられるように設計しておくことも、造作家具を計画するときのポイントです。
コストが高くなることもある
造作家具はオーダーメイドで一から設計・製作するため、複雑な形状にしたり素材にこだわると、全体のコストが高くなることがあります。ただし、空間にぴったりのサイズやデザインで作れるため、完成度や満足度が高く、長期的に見ればコストパフォーマンスの良い選択肢になるとも言えます。
予算に限りがある場合は、すべてを造作にするのではなく、必要な箇所だけに取り入れるのもおすすめです。たとえば、人目に触れるリビングは造作家具を採用し、将来的に使い方が変わる子ども部屋などは既製家具を活用するなど、バランスよく選んでみてください。
新築住宅で造作家具をつけるには専門家に相談しよう
造作家具は、新築住宅をより快適で理想的な空間に仕上げるための強い味方です。部屋のサイズや使い方に合わせて設計できるため、暮らしにぴったりの収納や作業スペースを実現できます。
また、デザインや素材を自由に選べるため、インテリアとの一体感も演出できるのが魅力です。コストや将来的な使い勝手も考慮しながら、必要な場所に上手に取り入れることをおすすめします。理想の住まいを長く心地よく保つために、造作家具の魅力と注意点をしっかり把握して計画を立てましょう。
造作家具を検討するときには、建築会社の設計などプロに相談してみませんか。家づくりに詳しい専門家であれば、あなたの使い方にあわせて最適な造作家具を提案できます。ぜひ、家づくりに詳しい建築会社と一緒に、自分だけのオリジナルな造作家具を計画してみてください。
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