
「木の香りを嗅ぐと、何となく落ち着く」という感覚は、多くの方が経験したことがあるでしょう。実はこの心地よさには、科学的な根拠があることが分かっています。そんな中で、家を建てるなら木を取り入れたいと考える方も増えています。
とはいえ、「無垢材って高そう」「お手入れが大変じゃないの?」「デザインの選択肢が少ないのでは?」など、気になることがあるのも事実です。
自然素材だからこそ、実際の暮らしにどう取り入れるか不安に感じている方もいるでしょう。そこで本記事では、木が持つリラックス効果と、注文住宅での活用方法について詳しく解説します。
木にはリラックス効果があるって本当?
木の香りの心地よさは、気分の問題ではなく科学的にも裏付けられています。林野庁の資料によれば、木材の香りには、人の心と体をリラックスさせる効果があることがわかっています。
特に注目したいのは、木材の香りに含まれる「フィトンチッド」という成分。実験では、フィトンチッドに触れた人の血圧が下がり、脈拍も落ち着くという結果が出ています。木材には、人の心と体を落ち着かせる働きがあることがわかります。
また、木材独特の触り心地は、アルミニウムやアクリルといった人工素材に比べて、生理的なストレスを感じにくいという研究結果もあります。こうした作用から、木材はリラックス効果を高めたい空間にぴったりの素材といえるでしょう。
注文住宅で木のリラックス効果を活かすアイデア

せっかく新築住宅を建てるなら、木のリラックス効果を住まいに取り入れたいと思う方もいるでしょう。ここでは、効果的な木材の活用方法を紹介します。
無垢材のフローリングで足元からリラックス
木のリラックス効果を活かすには、床材を無垢材のフローリングにするのがおすすめです。合板フローリングとは異なり、無垢材は化学物質が含まれない自然素材なので、木材本来の香りと触感を楽しめます。
素足で過ごせば、足裏の触り心地がよく、香りとリラックス効果の相乗効果が期待できます。また、無垢材には、湿度が高いときには水分を吸収し、乾燥したときには水分を放出する性質があるため、調湿効果が高い点も魅力です。
無垢材を使った家に関して、もっと詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
関連記事:無垢材を使った家を建てる!メリット・デメリットを詳しく解説
壁や天井も木にして香りに包まれる空間へ
真っ白なビニールクロスとは対照的に、壁や天井に木材を取り入れると、空間全体がぐっとやわらかく、心地よい雰囲気に変わります。
さらに本物の木材だけが持つ「照りの移動」という美しい現象は、どんなに精巧な印刷シートでも再現することができません。見る角度や照明の向きによって、明るく光る部位が動いているように感じられます。トチノキやカエデなどの縞の木目では、特に美しく感じられるでしょう。
構造材にも木を使うことで長く快適に
柱や梁といった構造材にも木を使うことで、住まい全体に木の香りが広がります。構造材は家の中でも多く木を使う部分なので、無垢材を選べば、木の香りがたっぷりと放出され、長くリラックスできる空間になりますよ。
また、梁や柱をあえて見せる「あらわし仕上げ」にすれば、木の美しさを楽しみながら、構造の力強さも感じられる空間に仕上がります。木材は、時間がたっても風合いが増していく素材です。50年、100年と、暮らしながら時を経て色が変わっていく様子も楽しめるでしょう。
どの無垢材を選ぶ?種類を紹介

無垢材にはさまざまな種類があり、それぞれ質感や香り、性能が異なります。住まいに多く使われる代表的なものには、ヒノキ・スギ・ケヤキ・ヒバ・パイン・ブナなどがあります。
例えば、ヒノキはやさしい香りと高い耐久性が魅力で、お風呂などにも使われる人気の木材です。スギは軽くて加工しやすく、あたたかみのある見た目が特徴。ケヤキはキズや水に強く、床材として頼もしい存在です。
ヒバは抗菌・防虫性があり、色のばらつきが少ないため、内装にもおすすめします。パインはスタイリッシュな演出でき、ブナは強度と加工のしやすさを兼ね備えています。
仕上げたい雰囲気や使う場所、予算に合わせて、自分たちの好みに合った無垢材を選びましょう。迷ったときは、実際に触れてみるのもおすすめです。
木のリラックス効果を活かした住まいの実例を紹介
「木の香りに包まれた、心地よい家に住みたい」と考えたときには、実際に木を取り入れた住まいの事例を見ると参考になります。
どのように木材を使えば、見た目も香りも楽しめる空間になるのでしょうか。ここでは、大工産で注文住宅を建てた実例をご紹介します。
開放的な吹き抜けのリビング

木の温もりが心地よく包み込む、理想的なナチュラルモダン住宅です。床一面に広がる美しい木目のフローリングは、歩くたびに足裏に優しい感触を与えます。
吹き抜けの開放的な空間の上に見えるのは、木目が活かされた梁見せの天井。白い壁と木材の絶妙なコントラストが、洗練されながらも温かみのある雰囲気を演出していますね。
ダイニングテーブルや上階の手すりにも木材を使い、インテリアデザインに統一感をもたせています。
この実例についてもっと詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
関連記事:猫との暮らしも快適に。収納力と家事動線にこだわった木の住まい
無垢材に囲まれたファミリーライブラリー

木の香りに包まれた、理想的なファミリー空間です。壁・天井・床までふんだんに木材を使い、空間全体に温かな統一感を与えています。
天井の構造材も、そのまま意匠として活かされていますね。壁一面の造作本棚は、おもちゃに絵本、図鑑と、収納力抜群の存在です。
木の節や自然な色合いの変化が、工業製品では決して表現できない豊かな表情を生み出しています。足裏に伝わる木材の優しい感触と天然木の香りで、子どもたちの感性も豊かに育まれそうですね。
この実例についてもっと詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
まとめ
木のリラックス効果は、気分の問題ではなく、科学的にもその作用が証明されています。注文住宅で無垢材を取り入れれば、心と体が自然と落ち着く、やすらぎのある住まいが実現できます。
木材には、リラックス効果だけでなく、調湿・抗菌・消臭といった機能面でも大きなメリットがあります。一日の終わり、帰宅したときにふわっと広がる木の香りに包まれて、思わずほっとひと息つける。そんな家での暮らしを想像してみてください。「木のぬくもりに包まれた家で暮らしたい」と感じたときには、木造住宅が得意な建築会社に相談してみませんか。
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