注文住宅の間取りでは、限られた空間を有効活用できる「ロフト」が人気です。収納スペースとして使われることが一般的ですが、アイデア次第ではさまざまな活用ができます。
しかし、「ロフトってどう使えばいいの?」「本当に必要かな?」などの疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、ロフトの基本的な知識から使い方のアイデアや新築住宅でロフトをつけるときのポイントを解説します。実際に新築住宅でロフトをつけた建築実例も紹介しますので、マイホームを建てる予定の方は、ぜひ最後までご覧ください。
ロフトの使い方を知る前の基礎知識!ロフトとは?

ロフトを検討する前に、まずはロフトとは何か、法律上どのような扱いになるのかを正しく理解しておきましょう。
建築基準法において、ロフトは「小屋裏物置等」として定義されています。居住空間ではなく、あくまで物置や収納スペースとしての位置付けです。建築基準法の定義により、ロフトにはいくつかの制限が設けられています。
まず、天井高は1.4m以下と定められています。人が立って歩き回るには少し低く感じることもあるかもしれません。しかし、座ったり寝転んだりするには十分な高さです。また、床面積は直下階の2分の1以下という制限もあります。
例えば、直下階が20㎡の場合は、ロフトの大きさは最大10㎡までしか設けられません。ただし、自治体によって細かいルールは異なるため、間取りを決めるときには建築会社に相談しましょう。
参照:建築基準法施行令第2条第1項第8号|e-Gov法令検索
ロフトをもっと楽しく!おしゃれな使い方のアイデア5選

ロフトの魅力を最大限に引き出すには、特性を活かした使い方を考えることが重要です。ここでは、ロフトのおしゃれで実用的な活用アイデアを4つご紹介します。
1.収納スペースとしてすっきり活用
ロフトの実用的な使い方の1つが、収納スペースです。特に季節ものの衣類や布団、年に数回しか使わないスーツケースやアウトドア用品など、大型で使用頻度の低いアイテムを収納するのに最適です。
ウォークインクローゼット風にレイアウトするときは、ロフトの両脇に収納ボックスや衣装ケースを配置し、中央部分を通路として確保してみてください。透明な収納ケースを使用すると中身が一目で分かるため、便利に使えるでしょう。
2.書斎や勉強スペースに最適
在宅ワークの増加にともない、ワークスペースとしてロフトを活用する人も増えています。ロフトは、集中して作業したいときにぴったりの空間です。
過ごしやすくするためには、照明をつけたり小型の扇風機を活用することをおすすめします。また、パソコンやモニターなどの機器を使うことも想定して、コンセントの配線計画も立てておきましょう。
本棚などを置き、書類や資料の収納スペースを確保することで、より効率的で快適な在宅ワーク環境が実現できますよ。
3.趣味を満喫するマイルームに
ロフトは、趣味に没頭できる「自分だけの空間」として活用することもできます。例えば、手芸や模型制作、イラスト、DIYなど、作業に没頭できる環境を整えれば、日常のストレスを忘れて夢中になれる空間が作れるでしょう。
また、ロフトはコレクションの展示スペースとしても優秀です。フィギュアやレコードなどをディスプレイするのもおすすめです。リラックスできる照明や座り心地の良いチェアなどを配置すれば、居心地の良い趣味の部屋が完成します。
4.リラックスできる癒しの空間に
ロフトは、静かに過ごす「癒しの空間」としても人気です。読書や映画鑑賞、音楽を聴くなど、落ち着いてゆったり過ごしたいときにもぴったりの部屋です。
くつろぐ場所として使うときには、クッションやブランケット、ラグなどを準備してみてください。照明は、オレンジ色の暖かい光を選ぶことで、より一層リラックスできる雰囲気を演出できますよ。小さなサイドテーブルがあると、飲み物や本を置くのにも便利です。
5.子どもが遊べる秘密基地のような空間に
子どもにとってロフトは、特別感の溢れる秘密基地のような魅力的な空間です。天井が低いことも、子どもにはちょうど良いサイズ感となり、安心できる居場所になるでしょう。
ただし、遊び場にするときには安全面に配慮して、はしごに滑り止めを設置したり、ロフトの縁に安全柵を設けておくことをおすすめします。また、角になっている部分にはクッション材を貼っておくと怪我のリスクを最小限に抑えられます。
将来も視野に入れ、子どもが成長した後は勉強部屋や趣味の部屋として転用できるような設計にしておくと、長く活用できますよ。
ロフトの注意点やデメリット

ロフトは便利でおしゃれな空間ですが、設置にはいくつかの注意点もあります。前述の通り、天井高は1.4m以下と法律で定められているため、大人が立って歩くときには狭さを感じることがあります。
また、ロフトに入るには、はしごや階段をつけるのが一般的です。小さな子どもや年配の方がいる家庭では上り下りにも気を遣わなければなりません。
さらに、ロフトは空調が届きにくく、特に夏場は熱がこもりやすいというデメリットもあります。断熱性能や換気計画をしっかり考慮し、窓や換気扇の設置を検討しましょう。
おしゃれなロフト使い方建築実例3選
マイホームの計画でロフトをつけるか悩んだときには、ロフトの実例を見ておくのがおすすめです。より具体的なイメージを掴むためにも、ここでは大工産で注文住宅を建てた、おしゃれなロフトの建築実例を3つご紹介します。
吹き抜けとつながる広々としたロフト

自然光がやわらかく差し込む窓辺と木の温もりが調和した、心地よいロフト空間。天井は低めながら吹き抜けとつながることで開放感を演出しているため、圧迫感を感じさせません。
ソファや毛布を持ち込めば、家族みんなの特別な昼寝空間に早変わり。この家に住んでいる猫ちゃんにとっても、格別のリラックス場所になりそうです。
窓の下枠がカウンターになっているため、季節の小物や緑を飾って楽しむこともできますね。梁下や壁際を活用すれば収納力も抜群で、生活用品をすっきり整理できます。多目的に使える贅沢なプライベート空間です。
この事例をさらに詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
参照:猫との暮らしも快適に。収納力と家事動線にこだわった木の住まい
自分だけの書斎として活用できるロフト空間

「自分だけの書斎」空間として活用しているロフトを紹介します。壁面に造作棚をつけたため、整理整頓しながら手の届く範囲にお気に入りの本を配置できますね。
家の中に読書コーナーがあると、オンとオフを明確に分けられるのも魅力です。このロフトへの上り下りには、固定階段ではなく収納階段をつけています。
まるで秘密の場所への入口のように、ワクワクする気持ちでロフトに上がれますね。家族の声が届かない静かなロフトの中で、本に没頭したり、趣味の執筆活動に打ち込んだり。
自分だけの時間を大切にできる書斎空間として、理想的な活用例といえるでしょう。
この事例をさらに詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
屋根裏を活用したロフト収納で、家中スッキリ快適に

普段使わない屋根裏を、便利な収納部屋として使えるロフトです。家を建てるとき「収納が足りるかな」と心配になりますが、ロフト収納があると便利に使えます。
冬物のコートやダウン、夏の扇風機など季節ごとに出し入れするものをまとめて置くのにも最適です。旅行用のスーツケースや、キャンプ道具なども、捨てるには惜しいけど普段は邪魔になるものの置き場所に困らなくなるでしょう。
1階のクローゼットがいっぱいになることもなく、リビングもスッキリ片付きます。アルバムや卒業アルバム、子供の工作なども安心してしまえるので、思い出の品の保管場所としても重宝します。
まとめ
ロフトは、限られた住空間をぐっと広げてくれる空間です。収納スペースとしての実用性はもちろん、趣味に没頭したり、静かに読書を楽しんだりと、自分だけの特別な場所としても活躍します。 子どもの遊び場やコンパクトな書斎など、使い方はまさに自由自在です。ロフトを取り入れるには、建築基準法の制限を理解し、換気・断熱など快適に過ごすための工夫をしておきましょう。ロフトのある家づくりに興味がある方は、実績のある建築会社に相談してみることをおすすめします。理想の暮らしにぴったりのロフト空間を一緒に形にしてくれるはずです。