
「土地を選ぶとき、どこを見て判断すればいいのだろう?」
「何を基準に選べば、後悔しない家づくりができるのかかわからない」
家づくりを始めるときに、多くの方が土地選びの悩みに直面します。土地の選び方を間違えると予算オーバーになったり、周辺環境が希望と異なってしまうこともあるため、慎重に決めなければなりません。
しかし、はじめての家づくりで何から始めればいいのか迷ってしまう方も多いでしょう。そこで今回は、土地選びの考え方から具体的なチェックポイント、スムーズに土地探しを進めるコツまで詳しく解説します。
まずは目的を明確に!土地選びで後悔しないための考え方

土地選びを始める前に、まず理解しておきたいポイントとして以下の2つがあります。
- 家づくりの流れを理解する
- 土地と建物のバランスを考える
目的や優先順位があいまいなまま土地を探すと、理想の家づくりができなくなってしまいます。後悔しない土地を選ぶためにも、1つずつ見ていきましょう。
家づくりの流れを理解する
まずは、土地購入から入居までの流れを把握しておくことが大切です。一般的には、以下の順で進んでいきます。
- 予算を決める
- 土地を探す
- 建築会社を選ぶ
- 設計・打ち合わせを行う
- 着工する
- 建物が完成する
- 引き渡し・入居
入居までの流れを理解しておくと、土地選びでどこまで妥協できるか、何を優先すべきかが見えてきます。
特に、土地探しと建築会社選びは同時進行することも多いため、バランスを取りながら進めていきましょう。家づくりの流れについて、さらに詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
関連記事:家づくり ご相談からお引き渡しまでのスケジュール|大工産
土地と建物のバランスを考える
家づくりの予算は、大きく分けると土地代と建物代の2つに分けられます。土地にお金をかけすぎると建物に思うように費用をかけられないこともあるため、バランスを取ることが必要です。
国土交通省の調査によると、土地の購入資金は全国平均で2,082万円です。ただし、土地の値段は地域によっても大きな差があるため、目安としてご覧ください。
土地選びの基準を決める3つのポイント

土地選びでは、次の3つの基準を軸に検討を進めるとスムーズです。
- 予算
- 暮らしやすさ
- 周辺環境・立地
理想の土地を見つけるためにも、1つずつ見ていきましょう。
予算
土地を購入するときには、購入価格のほか、仲介手数料、登記費用、固定資産税などの諸費用もかかります。また、地盤改良が必要な土地では、追加費用がかかることもあるでしょう。
総予算から逆算して土地にかけられる金額を決め、その範囲内で条件に合う土地を探していくことが大切です。マイホームの予算の決め方を詳しく知りたい方は、こちらの記事もぜひご覧ください。
関連記事:家を建てる前に知っておきたい!マイホームの予算の決め方
暮らしやすさ
毎日の暮らしやすさは、土地選びで重視すべき基準の1つです。通勤や通学の時間、最寄り駅やバス停までの距離などを確認しておきましょう。また、スーパーやコンビニ、病院、学校といった日常で使う施設は近いか、交通手段は何かなどを把握しておくことも大切です。
子どもがいる家庭なら、小中高の学区に加えて、公園や保育園・幼稚園へのアクセスも重要です。一見静かで暮らしやすそうなエリアでも、生活に必要な施設が遠ければ、日々の負担が大きくなります。
実際の生活をイメージしながら、暮らしやすさを総合的に判断しましょう。
周辺環境・立地
土地の周辺環境や立地条件は、毎日の住み心地に大きく左右されます。たとえば、隣家との距離が近すぎると風通しや日当たりが悪くなることがあります。また、南側に高い建物やビルがある場合は、冬場の日照時間が短くなり、室内が寒く感じることもあるでしょう。
土地選びでは、周辺の建物の高さや方角、道路との位置関係を確認し、日当たりと風通しの両方を確保できるかを確認しましょう。
土地探しで押さえておきたいチェックポイント
注文住宅の土地探しでは、以下のようなポイントをチェックしておきましょう。
- 広さ・形状
- 地盤・災害リスク
- 建築条件
見落とさないためにも、1つずつ見ていきましょう。
広さや形状は家の間取りに影響する
土地の広さや形は、理想の家づくりに関わる大切なポイントです。同じ広さでも、形がいびつな土地では建物を建てられる範囲が限られ、間取りの自由度が下がることがあります。
特に、道路に接している土地の間口が狭く、奥に広い敷地が広がっている「旗竿地」と呼ばれる土地は、見た目よりも実際に使える面積が広くありません。
一方で、正方形や長方形に近い「整形地」は、無駄のない配置がしやすく、駐車場や庭の計画も立てやすいのが魅力です。
また、駐車スペースは現時点で必要な台数だけでなく、将来のことも考慮しておくと安心です。家族の成長やライフスタイルの変化も見据えて、自分たちの生活にあった土地を選ぶことが大切です。
図面だけでは実際の広さや使い勝手が分かりにくいため、必ず現地に足を運び、車の出入りや広さを確かめておくことをおすすめします。
ハザードマップで安全性を確認する
長く住む土地を選ぶには、地盤の強度と災害リスクの確認が欠かせません。また、洪水や土砂崩れといった自然災害の災害リスクも調べておきましょう。
たとえば、川の近くや低地にある土地では浸水の危険があり、傾斜地や崖のそばでは大雨の際に土砂災害が発生するおそれがあります。
国土交通省が公開しているハザードマップポータルサイトでは、洪水、土砂災害、津波、地震などの災害リスクを確認できます。検討している土地があれば、事前にチェックしておきましょう。
自由設計できるかどうかを確認する
土地には「建築条件付き」と「建築条件なし」の2種類があります。建築条件付きの土地は、あらかじめ建築会社が指定されており、一定期間内(たとえば3か月以内など)に建物の契約を結ぶ必要があります。
そのため、建築会社の選択肢が限られますが、価格が比較的安く設定されているのが特徴です。一方で、建築条件なしの土地は、自分たちの好きな建築会社やハウスメーカーを自由に選ぶことができます。
設計や仕様の自由度を重視したい人や、こだわりのある家づくりをしたい人にはおすすめの選択肢です。家づくりで後悔しないためにも、「どの建築会社で建てるか」を見据えた上で土地を選びましょう。
土地探しをスムーズに進めるコツ

効率よく理想の土地を見つけるには、以下のコツを押さえておきましょう。
- 不動産会社・建築会社の両方に相談する
- 条件に優先順位をつける
- 複数の土地を比較し、現地を見学して決める
スムーズに土地探しを進めるためにも、1つずつ見ていきましょう。
不動産会社・建築会社の両方に相談する
土地探しは、不動産会社だけでなく建築会社にも相談してみてください。不動産会社は土地の情報が豊富にありますが、建築の知識は限られています。一方で、建築会社やハウスメーカーなら、その土地にどんな家が建てられるか、地盤改良が必要かなど、建築の視点からアドバイスしてくれます。
不動産会社だけでなく、両方に相談することで、土地の条件と建物の可能性を総合的に判断できるはずです。また、建築会社によっては土地探しから協力してくれるところもあります。気になる土地が見つかったら、建築会社に同行してもらい、プロの目でアドバイスをもらえると安心です。
条件に優先順位をつける
立地、日当たり、価格、広さなど、すべての希望条件を満たす完璧な土地を見つけるのはそう簡単ではありません。そのため、譲れない条件と妥協できる条件を明確にしておくことが大切です。
たとえば「通勤時間30分以内は絶対」「予算は超えたくない」といった必須条件と、「駅から多少遠くても構わない」「形状は多少いびつでもよい」といった妥協できる条件をリストアップしておきましょう。
また、家族全員で話し合って優先順位を共有しておくと、意見の食い違いを防げます。譲れないポイントを押さえつつ、納得のいく土地選びを心がけましょう。
複数の土地を比較し、現地を見学して決める
1つの土地だけを見て即決するのではなく、複数の候補を比較検討してから決めましょう。
条件が似た土地を3つから5つほどピックアップし、価格、立地、広さ、周辺環境などを比較しながらまとめると判断しやすくなります。
そして、現地を訪れて実際の雰囲気を確かめることも大切です。写真や図面ではわからない傾斜、風通し、日当たり、周辺の雰囲気などを実感できます。
可能であれば、異なる時間帯や天候の日に複数回足を運んでみてください。土地選びは、焦らずじっくり検討しましょう。
土地探しの基準を決めるのに迷ったら建築会社に相談しよう

土地選びの基準や優先順位に迷ったときには、建築会社に相談してみてください。建築のプロであれば、土地の条件を見て、どんな家が建てられるか、追加費用がかかるかなど具体的なアドバイスをしてくれます。
たとえば、変形地でも工夫次第で魅力的な間取りが実現できたり、日当たりが悪い土地でも設計で明るい家にできたりすることがあります。逆に、一見条件のよい土地でも、建築基準法の制限で希望の建物が建てられない場合もあるでしょう。
建築会社は土地と建物をセットで考えるため、トータルでの予算配分や優先順位についても相談できます。信頼できる建築会社を見つけて、土地選びの段階から相談してみませんか。

