
「玄関土間のある家って、どこか落ち着く」「家を建てるときには、広い土間を作りたい」と感じたことはありませんか。玄関土間は、靴のまま出入りできるだけでなく、自転車やベビーカーの置き場としても活用できる便利な空間です。
最近では、暮らしにゆとりをもたらすプラスアルファの空間として、新築住宅に取り入れる人が増えています。しかし、実際にどのような点で便利に使えるのか、広くするときの注意点はないのか気になる方もいるでしょう。
そこで本記事では、玄関土間を上手に活用するためのポイントや、具体的な活用術を解説していきます。
玄関土間とは?人気の理由を深堀り

そもそも、玄関土間とはどういった空間で、なぜ人気があるのか知りたい人は多いでしょう。ここでは、玄関土間とは何かと、人気の理由を詳しく解説していきます。
玄関土間とは?
土間とは、家の中にありながら靴を履いたまま使えるスペースのことです。アウトドア用品やスポーツ用品、ベビーカー、自転車などをそのまま置ける収納スペースとしても使えるほか、ちょっとした作業をしたり、ペットの居場所にしたりと、ライフスタイルに合わせてさまざまな使い方ができます。
玄関の印象をおしゃれに演出できる点でも、近年人気が高まっている間取りです。
なぜ今、玄関土間が人気なの?
もともと「土間」とは、靴を履いたまま使える屋内のスペースのことで、昔の日本の家では台所や作業場としてよく使われていました。屋外で使う道具を置いたり、泥のついた野菜を洗ったりと、汚れても気にせず使える便利な場所だったのです。
この土間の考え方が、今の暮らしに合うカタチで取り入れられているのが「玄関土間」です。
たとえば、アウトドアブームの影響でキャンプ用品やスポーツ用具など、大きくて汚れやすいものを収納する機会が増えています。屋外で使うアイテムは、普通の下駄箱には入らず、室内に持ち込むのもためらうこともあるでしょう。そんなときに、家の中に屋外のアイテムを置いておける玄関土間があると、便利に使えます。
また、最近ではSNSで家づくりの情報を集める人が増え、間取りやインテリアへの関心も高まっています。玄関をおしゃれに見せたいというニーズが高まる中で、実用的で見た目もおしゃれな玄関土間は、今の暮らしにぴったりのアイデアとして注目されています。
玄関土間をつくる3つのメリット

靴を履いたまま使える玄関土間は、収納や作業スペースとして使えるだけでなく、さまざまな魅力があります。ここでは、玄関土間をつくる以下3つのメリットをご紹介します。
・収納力抜群で玄関まわりがすっきり片付く
・汚れることを気にせず使える
・おしゃれに演出する効果がある
一つずつ詳しく見ていきましょう。
収納力抜群で玄関まわりがすっきり片付く
玄関土間の大きなメリットは、収納スペースが広くなることです。普通の下駄箱には入りきらないような荷物でも、玄関土間を広めにデザインしておくことで、ゆとりをもって収納できます。
たとえば、子ども用の自転車やベビーカー、ゴルフバッグ、キャンプ用品、スキー板など、大きくて汚れやすい物もそのまま置けるのでとても便利です。
玄関の収納力がアップすると、リビングや他の部屋まで散らかりにくくなり、家全体をすっきりとした印象に仕上げたいときにもおすすめです。
汚れることを気にせず使える
玄関土間のもう1つの大きなメリットは、汚れを気にせずいろいろな作業ができることです。土足で使えるスペースなので、泥や水でぬれても、あまり心配する必要はありません。
玄関土間でペットの足を洗ったり、植物の植え替えをしたりと、ちょっとした屋外作業をしながら過ごすご家庭も多くいます。雨の日のレインコートや、土のついた部活の道具も、玄関土間で干したり汚れを落としたり、といったこともしやすいのが魅力です。
おしゃれに演出する効果がある
玄関土間には、おしゃれな空間を演出できるというメリットがあります。床材にタイルやモルタルなどを使うことで、シンプルながらも洗練された印象に仕上がります。
また、照明や収納のデザインにこだわれば、来客の目にもおしゃれな家に映るかもしれません。玄関は、家の顔ともいえる場所です。
玄関土間をうまく活用することで、実用性だけでなくデザイン性も高められ、毎日の暮らしが少し楽しくなるはずです。
玄関土間をつくるときの注意点
玄関土間は便利でおしゃれな空間として人気がありますが、しっかりと計画して設計しないと「思ったより狭かった」「冬に寒すぎた」といった後悔につながることもあります。ここでは、玄関土間をつくるときの注意点として、以下3つを解説していきます。
・他の部屋とのバランスをみて広さを決める
・断熱・湿気対策をしておく
・子どもの成長や暮らしの変化に対応できる設計にする
一つずつ詳しく見ていきましょう。
他の部屋とのバランスをみて広さを決める
玄関土間をつくるときに大切なのが、広さの決め方です。4〜6畳ほどの広さを確保すると良いかもしれません。靴の脱ぎ履きや荷物の出し入れなどをするには、十分な広さです。
ただし、家族の人数や玄関土間の使い方によって、必要な広さは変わります。アウトドア用品やスポーツ道具が多い家庭、趣味の道具をたくさん置きたい場合は、8〜10畳程度の広さがあると安心です。
一方で、玄関土間を広くしすぎると、リビングや他の部屋が狭くなってしまうことも忘れてはなりません。家全体の広さとのバランスを考えながら、どれくらいのスペースが本当に必要なのか、しっかり検討することが大切です。
断熱・湿気対策をしておく
玄関土間は外とつながっている部分が多いため、しっかり断熱しておかないと、冬は足元から冷えてとても寒く感じることがあります。とくに床の断熱はとても大切です。
玄関土間の使い方にあわせて、壁や天井にも断熱をしておくと、室内との温度差が少なくなり、より快適に過ごせます。
また、湿気対策も忘れてはいけません。玄関土間は外の湿気が入りやすく、梅雨時にはカビや結露の原因になることもあります。
空気をしっかり循環させるために、換気設備を整えておくことも大切です。さらに、調湿作用のある珪藻土や漆喰などの壁材を使えば、自然に湿気をコントロールできるでしょう。
子どもの成長や暮らしの変化に対応できる設計にする
玄関土間を設計するときは、将来の暮らしの変化も見据えておくことが大切です。たとえば、小さい頃はベビーカーや外遊び用のおもちゃを置いていたスペースが、子どもが成長すると部活動の道具やスポーツ用品置き場に変わることもあります。
使い方の変化に対応するには、収納を固定せず、可動棚にしておくのがおすすめです。高さを調整できる棚なら、収納する物が変わっても柔軟に対応できるでしょう。
おしゃれな玄関土間の実例

ここでは大工産が手がけた実際の住まいの実例を紹介します。寝袋やキャンプ用品、ボールなどが効率よく収納されていますね。
土間収納で便利に使えるのが、高さを調整できる可動棚です。収納するアイテムの大きさに合わせて棚の位置を変えられるので、季節用品やアウトドアグッズなどをすっきり整理できます。
壁際には、コートクロークとして使えるハンガーラックがあり、外出前にサッと羽織れるアウターを掛けておきたいときにも活用できます。そして、玄関ドア横の壁には、帽子やヘルメットなどを掛けられるフック収納が設置されています。
子どもが自分で手の届く位置にあるので、身支度や片付けがスムーズにでき、忙しい朝やお出かけ前の時間もストレスなく過ごせそうですね。
玄関土間をつけた住まいを手に入れよう
玄関土間は、収納のしやすさや使い勝手のよさに加えて、玄関まわりをおしゃれに見せてくれる、現代の暮らしにぴったりの空間です。取り入れるときは、家族の生活スタイルや将来の変化を考えて、広さや使い方を決めることが大切です。
玄関土間のある間取りが気になる方は、建築会社に相談してみてください。建築家などの専門家と相談しながら、自分たちに合った玄関土間をつくってみてはいかがでしょうか。