
家を建てたいけれど「30代のこの時期だと、まだ早いのかな?」「本当に今がベストなタイミングかな」と悩んでいませんか。
30代という年代は、キャリアが安定し始める一方で転職や子育てなどライフイベントも多い時期です。だからこそ、今の暮らしと数年先の変化を見越して、今の段階で家を建てる意味と先送りするリスクを整理しておくことが大切です。
そこで今回は、30代で家を建てるメリット・デメリット、資金計画の立て方、失敗しないためのポイントを紹介します。
30代で家を建てる人はどのくらい?データで見る住宅購入のタイミング

実際に、家を建てる人はどの年代の人が多いのでしょうか。ここでは、統計資料を基に以下の2点を見ていきましょう。
- 注文住宅購入者の年代別の割合
- 土地付き注文住宅の平均購入資金
注文住宅購入者の年代別の割合
国土交通省の住宅市場動向調査によると、注文住宅を購入する世帯主の年齢は30代が最も多い層だと分かります。具体的には、30代が全体の47.1%を占めており、次いで40代が18.1%という割合です。
また、同調査によると、全国の注文住宅を購入している世帯の平均年収は907万円です。このように、30代で家を建てることは決して珍しくなく、一般的だとわかります。
土地付き注文住宅の平均購入資金
住宅の購入資金は、いくらかかるのでしょうか。国土交通省の調査によると、土地を購入して注文住宅を新築した場合の、平均的な費用は6,188万円です。
自己資金の目安は、土地付き注文住宅で32.2%となっているため、平均の自己資金は約1,990万円、残り約4,200万円を住宅ローンで賄っているケースが多いことが分かります。
ただし、自己資金をいくらに設定するかは、世帯年収や貯蓄、今後の教育費など住宅以外にかかる費用との兼ね合いによって変わります。自分のケースに当てはめ、総予算と頭金の割合を決めることが大切です。
30代で家を建てるメリット

30代で家を建てることには、さまざまなメリットがあります。主なポイントは以下の通りです。
- 月々の返済負担が軽くなる
- 賃貸よりも子育てがしやすい
- キャリアが安定して収入の見通しが立てやすい
メリットを最大限活かすためにも、1つずつ見ていきましょう。
月々の返済負担が軽くなる
30代なら完済年齢に余裕があり、最長35年の住宅ローンを選びやすいのが強みです。住宅ローンは返済期間が長いほど、月々の支払い額を抑えられます。
また、30代で住宅ローンを組めば、定年前に返済を終えられる可能性が高くなります。たとえば、35歳で35年ローンを組んだ場合、70歳には完済できます。繰り上げ返済を活用すれば、60代で住宅ローンを完済することも十分に可能です。
定年後に住宅ローンの返済が残っていると、年金生活に入ってからも返済負担が続き、生活が苦しくなりかねません。一方で、住宅ローンを早めに完済できれば、その後の収入は老後の生活資金に回せるでしょう。
賃貸よりも子育てがしやすい
賃貸住宅に住んでいると「子どもの足音が、下の階や隣の部屋の方に迷惑をかけているのでは」と心配になることも珍しくありません。一軒家なら、子どもが走り回る足音や生活音に、そこまで気を遣う必要はなくなります。
また、賃貸では収納が足りなくなることも多く、物が溢れて狭く感じがちです。注文住宅の一軒家なら、収納の量も自分たちの暮らしにあわせて計画できるため、整理整頓しやすい環境を作れるでしょう。
子育てしやすい間取りに関しては、こちらの記事でも詳しく紹介していますので、ぜひご覧ください。
関連記事:家事も育児もスムーズに!子育てしやすい間取りのアイデア6選
キャリアが安定して収入の見通しが立てやすい
30代は、キャリアが安定し始める時期です。新卒で入社したあと約10年の間に仕事の経験を積み、昇進や昇給によって収入が上がってきた人もいるでしょう。
金融機関も、安定した勤続年数と収入がある30代に対しては、審査を通しやすい傾向があります。たとえば、勤続5年以上、年収500万円以上であれば、金融機関や商品によっては金利優遇の対象になることがあります。
収入が安定していれば、無理のない返済計画を立てられるため、家計に余裕を持ちながら住宅ローンを返済していけるでしょう。
30代で家を建てるなら知っておきたいデメリット

家を建てるときには、デメリットも理解してから判断したいものです。30代で家を建てるときの主な注意点は、以下の通りです。
- 転勤や転職のリスクがある
- ライフスタイルに変化が起こる可能性がある
- 教育費と住宅ローンの返済時期が重なる
対策を考えるためにも、1つずつ見ていきましょう。
転勤や転職のリスクがある
30代は、急な転勤や転職で、引っ越しが必要になることもあります。いざというときに迷わないように、あらかじめ家をどうするかの方針を決めておくことも有効です。
単身赴任で家に家族は住み続けるのか、家族も一緒に移るのか、賃貸に出すのかなどの方法を検討しておきましょう。
ライフスタイルに変化が起こる可能性がある
30代は人生の中でも生活スタイルが大きく変化する時期です。家を建てる時点では必要だと思った間取りや立地が、数年後には不便に感じることもあります。
たとえば、子どもが増えて部屋数が足りなくなることもあるでしょう。また、在宅勤務が増えた場合、書斎やワークスペースが必要になるケースも珍しくありません。
将来の変化を予測することは難しいですが、できるだけ家族構成や生活スタイルの変化に対応できる間取りを選びましょう。
教育費と住宅ローンの返済時期が重なる
30代で家を建てた人の多くが、子どもの教育費が本格的にかかる時期と住宅ローンの返済期間が重なります。特に、中学・高校・大学に進学する時期は、塾代や学費など教育費が高くなりがちです。
そのため、余裕があるうちに繰り上げ返済を進めておくことや、教育にかかる費用の積立を早めに始めておくことをおすすめします。
30代で家を建てるときに失敗しない土地と間取りの選び方

30代で家を建てる際は、長期的な視点で土地と間取りを選ぶことが重要です。ポイントは以下の通りです。
- 通勤・通学を踏まえて土地を選ぶ
- 複数の建築会社を検討する
後悔のない家づくりをするためにも、1つずつ見ていきましょう。
通勤・通学を踏まえて土地を選ぶ
土地を選ぶときは、毎日の通勤や通学のしやすさを考えましょう。共働きなら、夫婦それぞれの職場までの行き方と時間を確認しておくと安心です。
子どもがいる場合は、小学校や中学校までの距離に加えて、通学路が安全かどうかもチェックしておきましょう。
駅やバス停からの距離といった交通の便も重要です。ただし、便利な場所ほど土地価格は高くなる傾向があるため、予算と相談しながら何を優先するかを決めて、無理のない範囲で選ぶことが大切です。
気になる土地は必ず現地に行き、朝と夜で雰囲気や人通り、交通量がどう変わるかも確かめておくと安心です。土地選びの重要なポイントについては、こちらの記事でも解説していますのでぜひご覧ください。
関連記事:これだけは押さえたい!土地選びで重要な9つのポイント
複数の建築会社を検討する
家を建てるときには、どの建築会社を家づくりのパートナーとして選ぶかが重要です。会社ごとに断熱や耐震などの性能、動線や収納の考え方、施工のきめ細かさ、保証や点検といったアフター体制に違いがあります。だからこそ、一社で決めずに会社の施工力や対応力を見て、判断することが大切です。
まずは、モデルハウスや完成見学会に足を運び、現場が整理整頓されているか、スタッフの説明はわかりやすいかを確認しましょう。
見積もりは条件をそろえて依頼し、坪単価だけでなく総額で比較することが大切です。金額だけではなく、住んでからの光熱費やメンテナンスにかかる費用まで見据えて判断した方が、納得のいく選択ができるでしょう。
30代で家を建てるなら建築会社に相談しよう

今回は、30代で家を建てるメリット・デメリット、失敗しないためのポイントを紹介しました。30代で家を建てることは、住宅ローンを長期で組める、子育て環境を整えられるなどの多くのメリットがあります。一方で、転勤や転職のリスクなどデメリットがあることも理解しておく必要があります。
本記事で紹介したポイントを参考に、信頼できる建築会社に相談しながら、あなたと家族にとって最適なタイミングで家づくりを始めましょう。

