
「20代で家を建てるのは早すぎるのだろうか」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。住宅の購入を決断するには、さまざまな不安がつきまとうものです。しかし、実際には人生の早い段階で家を建てることのメリットも数多くあります。
そこで今回は、20代で家を建てる人の割合やメリット・デメリット、家づくりのポイントを詳しく解説していきます。マイホームの購入を検討している20代の方は、ぜひ参考にしてください。
20代で家を建てるのは早い?割合を見てみる

20代で家を建てる世帯は、どれくらいの割合なのでしょうか。ここでは、以下の内容について見ていきます。
- 家を建てる人の年代別の割合
- 頭金の相場
住宅購入のタイミングを判断するためにも、1つずつ見ていきましょう。
家を建てる人の年代別割合
国土交通省の調査によると、新築の注文住宅を建てる世帯主の平均年齢は30代が43.7%と最も多い世代です。次に、40代の18.6%、30代未満の13.2%と続きます。
30代や40代と比較すると割合は少ないものの、20代で家づくりをする人も一定数いることがわかります。
購入資金・頭金の相場
次に、住宅の購入資金と頭金(自己資金)の相場をみていきましょう。
国土交通省の調査によると、土地を購入して注文住宅を新築した世帯の平均購入資金は6,188万円です。
また、自己資金比率は32.2%となっています(※土地を購入して注文住宅を新築した世帯)。つまり、土地と建物で住宅資金が6,000万円であれば、およそ1,900万円前後が頭金、残りの約4,000万円を住宅ローンなどでまかなっている計算です。
ただし、土地にかかる費用は住む地域によって大きく異なるため一概には言えません。また、実際には住宅ローンでほぼ全額をまかなうケースもあります。統計上の数値として、参考にしてください。
20代で家を建てるメリット

20代で家を建てることには、さまざまなメリットがあります。ここでは、主なメリットとして以下の3つを解説します。
- 住宅ローンの返済期間に余裕をもてる
- 早くから暮らしやすい住まいが手に入る
- 賃貸住宅の家賃を節約できる
早めに住宅資産を手に入れる意味を理解するためにも、ポイントを1つずつ見ていきましょう。
住宅ローンの返済期間に余裕をもてる
20代で住宅ローンを組むメリットは、返済期間に余裕を持てる点です。たとえば、25歳で35年ローンを組んだ場合、60歳には完済でき、定年前には返済が終わります。
一方で、40歳で35年ローンを組むと、完済は75歳となり、老後の生活資金にも影響を及ぼす可能性があります。早めに返済を終えられれば、老後の貯蓄に回せるお金を増やすことにもつながります。早い段階から住宅ローンを開始すると、無理なく計画的に返済を進められるでしょう。
早くから暮らしやすい住まいが手に入る
賃貸住宅では、間取りや設備、壁紙の色ひとつにしても自由度が限られます。また、子育て世帯は子どもの足音や泣き声が気になってしまうことも多く、下の階や隣への配慮で気を張る場面も少なくありません。
広さや間取りに制限があるため、ベビーカーなど荷物の置き場に困ることもあるでしょう。 その点、注文住宅なら、子どもがのびのびと過ごせる間取りや、防音性の高い構造・床材を選ぶなど、家族の暮らしに合わせた設計ができます。
たとえば、家事をしながら子どもの様子を見守れる対面キッチン、たっぷり収納できるファミリークローゼット、休日に家族でバーベキューができる庭など、日常のストレスを減らす工夫ができます。
また、新築住宅は断熱性や耐震性にも優れており、快適で安心して長く住める家を早い段階から持てる点も魅力です。
子育てしやすい間取りについて詳しく知りたい方は、以下の記事もぜひご覧ください。
関連記事:家事も育児もスムーズに!子育てしやすい間取りのアイデア6選
賃貸住宅の家賃を節約できる
賃貸住宅に住み続ける場合、毎月の家賃は支払い続けても自分の資産にはなりません。一方で、住宅ローンの返済は、将来自分の資産となる持ち家への投資です。
たとえば、月10万円の家賃を10年間支払うと、総額1,200万円が住まいにかかっていることになります。賃貸ではそのお金は資産にはなりませんが、持ち家なら同じ金額を住宅ローンの返済に充てることができます。
長期的に見れば、経済的なメリットは大きいでしょう。
20代で家を建てるデメリット

20代で家を建てる前にデメリットも確認しておきたいものです。ここでは、以下の注意点について解説します。
- 家族構成が決まる前に家づくりをすることになる
- 住宅ローンの総返済額が多くなる
家づくりのタイミングを慎重に判断するためにも、1つずつ見ていきましょう。
家族構成が決まる前に家づくりをすることになる
20代で家を建てる場合、将来の家族構成が確定していないケースも少なくありません。新婚の段階で住宅購入を考えていて、子どもの人数や両親との同居の可能性などもまだわからないという方も多いかもしれません。
たとえば、家を建てた後に子ども部屋の数が足りなくなる、在宅勤務が増えて書斎スペースが必要になる、親の介護のために部屋が欲しくなるといったケースも考えられます。
そのため、家づくりでは家族の変化に柔軟に対応できる間取りを検討しておくことが大切です。
住宅ローンの総返済額が多くなる
返済期間が長くなることで、総返済額が増えてしまうのもデメリットの1つです。住宅ローンは、借入期間が長いほど支払う利息の総額も大きくなります。
しかし、将来的に収入が増えたときには、ボーナスや貯金を活用して繰り上げ返済をするのも方法の1つです。返済期間を短縮すれば、利息を抑えることが可能です。
また、住宅を購入するときには、国や自治体の補助金制度の活用も検討しましょう。条件を満たせば、数十万円から数百万円の補助を受けられる場合もあり、家を建てる資金の節約につながります。
2025年に実施されている補助金や減税制度について詳しく知りたい方は、こちらの記事もぜひご覧ください。
関連記事:2025年!新築住宅の補助金&減税を賢く活用!建築前に知っておきたいポイント
20代で家を建てるときのポイント

20代で後悔しない家づくりをするためには、ポイントを押さえることが大切です。ここでは、以下の3つの点をご紹介します。
- 融資額の上限まで借りずに余裕を持たせておく
- 可変性のある間取りにする
- 貯金を手元に残しておく
賢い選択をするためにも、1つずつ見ていきましょう。
融資額の上限まで借りずに余裕を持たせておく
金融機関が提示する融資額の上限いっぱいまで借りてしまうと、毎月の返済の負担が大きくなり、生活に余裕がなくなる恐れがあります。そのため、毎日の生活にかかる費用を踏まえた上で、無理のない借入額に設定することをおすすめします。
毎月の基本給だけで返済できる計画を立てておくと、予想していなかった収入の変化にも対応できるでしょう。
可変性のある間取りにする
将来の家族構成やライフスタイルの変化に対応できるよう、間取りには柔軟性を持たせておきましょう。
たとえば、子どもが小さいうちは寝室と子ども部屋を1つにして広い空間として使い、成長したら仕切って個室にするといった方法があります。引き戸や可動式の間仕切りを採用すれば、リフォームせずに簡単に部屋のレイアウトを変えられます。
また、将来的にリモートワークが増えた場合に備えて、リビングの一角にワークスペースを設けておくのも方法の1つです。子どもが独立した後は、その部屋を書斎や趣味部屋に変えることもできます。
他にも、親との同居や介護が必要になった場合に備えて、1階に和室や将来の寝室を設けておくなどのアイデアもあります。
家族の成長やライフステージの変化に合わせて、空間を柔軟に使える間取りにしておけば、住み替えの必要がなく、長く快適に暮らせます。
貯金を手元に残しておく
頭金を多く準備すると、住宅ローン返済の負担は軽減できますが、貯金をすべて頭金や諸費用に充ててしまうのは避けましょう。 家を建てた後には、家具や家電の購入、引っ越し費用など、さまざまな出費がかかります。
また、病気やケガ、車の修理・買い替えなど、急な支出に備えておくことも大切です。加えて、固定資産税などの資金も残しておく必要があります。新生活にかかる費用や将来の出費を見据えて、手元の資金に余裕を持っておきましょう。
20代で家を建てるときには建築会社に相談しよう

20代での住宅購入は、返済期間に余裕を持てることや早めに資産形成ができるといったメリットがあります。一方で、家族構成がまだ決まっていない時期に家づくりをすることや住宅ローンの総返済額が増える可能性があるなどのデメリットも存在するため、じっくり考える必要があります。
また、20代で家を建てるなら、将来の変化を見据えた間取りを提案できる会社を選ぶことも大切です。後悔のない理想のマイホームを実現するためにも、信頼できる建築会社を選びましょう。