
「小学校に上がったら勉強の習慣をつけさせたい。自分の部屋よりリビングのほうが安心なのかな?」「家を建てるなら、リビング学習ができる間取りにしておいたほうがいいの?」といった疑問を持つことはありませんか。
リビング学習は、子どもの集中力や学習意欲を育てる効果があるといわれ、近年注目されている学習スタイルです。しかし、お子さんが小さいとリビング学習のイメージが明確に決まらないこともあるでしょう。
そこで本記事では、リビング学習の特徴やメリット・デメリット、取り入れる際のレイアウトの工夫など、家づくりのポイントをわかりやすく紹介します。
リビング学習とは?

リビング学習とは、子どもが自室ではなくリビングやダイニングで勉強するスタイルのことです。親の目が届きやすく安心感があるため、学習習慣の定着にも効果的と注目されています。
ダイニングテーブルでもリビング学習はできますが、最近ではリビングの一角や横に「スタディスペース」と呼ばれるカウンター付きの学習コーナーを設ける間取りが人気です。
たとえば、キッチンから目が届く場所に長いカウンターを設置すれば、子どもが勉強している様子を見守りながら家事をこなすこともできます。
また、階段の踊り場をスタディスペースとして活用する事例もあります。オープンな空間でも、ほどよく独立した空間をつくれる方法です。リビング学習は、小学校低学年のうちから勉強の習慣をつけたいご家庭の注目を集めています。
リビング学習のメリット

リビング学習には、子どもの学習習慣を育てるうえでさまざまなメリットがあります。中でも代表的なのが、「すぐに勉強に取り掛かれる」「学習のサポートがしやすい」「集中力を保てる」といった3つのポイントです。
マイホームでリビング学習を取り入れるためにも、詳しく見ていきましょう。
すぐに勉強に取り掛かれる
リビング学習の魅力の1つは、すぐに勉強に取り掛かれることです。子ども部屋で学習するとなると、部屋に移動して机に向かい、教材を揃えるという一連の準備が欠かせません。
しかし、リビング学習であれば、帰宅後すぐにランドセルを開いてそのまま宿題に取り掛かれます。別の部屋に移動する必要がないため、学習を始めるハードルがグッと下がります。
勉強の習慣づけがしやすく、毎日宿題がある小学校低学年の子どもに適したスタイルです。
学習のサポートがしやすい
親の目が届く場所で勉強するリビング学習であれば、子どもは安心感を持って学習に取り組めます。わからない問題が出てきたときにも、すぐに家族に質問できるため、つまずきを放置せずに学習を進めることが可能です。
勉強を始めたばかりの低学年の子どもにとっては、そばで見守ってもらえる環境が心の支えになることもあるでしょう。さみしがりやなお子さんにも向いている学習スタイルで、自然と学習意欲を育むことができます。
集中力を保てる
リビング学習は、集中力を保てる点も大きなメリットです。リビングには家族の気配や生活音があるため、一見すると集中しにくいように思われがちです。しかし、適度な雑音や人の気配は、集中力を高めると言われています。
また、親や兄弟の目があることで、程よい緊張感が生まれ、ダラダラせずに勉強に取り組むことができます。まだ集中力が保てない低学年の子どもにとって、リビング学習は勉強に専念する力を育むための練習として最適です。
リビング学習のデメリット

リビング学習には多くのメリットがありますが、注意しておきたい点もいくつかあります。特に気をつけたいのは次の3つです。
- リビングが片付かないことがある
- きょうだいで干渉が増えることも
- テレビをみる時間が限られる
事前に対策法を把握し、家を建てるときの参考にしましょう。
リビングが片付かないことがある
リビング学習では、教科書やノート、文房具、プリント類などを使うため、整理整頓が難しくなりがちです。ダイニングテーブルを使っている場合、子どもの持ち物を収納する専用スペースがないと、散らかってしまうこともあるでしょう。
また、小学生は消しゴムのカスなどでテーブルや床が汚れやすく、食事前の片付けが毎日の負担になることもあります。悩みを解消するためにも、リビングの一角に収納付きのカウンターを設けるといった工夫を検討しましょう。
きょうだいで干渉が増えることも
リビング学習はきょうだいで一緒に勉強できる反面、干渉が増えることで集中を妨げてしまうことがあります。問題が解けずに悩んでいるときや、片方が話しかけすぎてしまうと、思わぬ喧嘩につながることも。
不要なトラブルを避けるには、机を分ける、収納棚でスペースを区切る、椅子の向きを工夫するなど、距離感を意識したレイアウトが効果的です。おしゃべりが過ぎないように、時間やルールを事前に決めておくのも良いでしょう。
テレビをみる時間が限られる
リビング学習を取り入れると、家族がテレビを自由に観づらくなるというデメリットがあります。子どもが勉強に集中していても、すぐそばでテレビがついていれば気が散りやすく、学習の妨げになってしまうためです。
特に、バラエティ番組などは視線がつい画面に向いてしまいがちです。家族全員で協力し、勉強中は読書や静かな作業をするなどの配慮が欠かせません。観たい番組は録画しておき、学習をしていないときに観るなど時間を分ける工夫が求められます。
リビング学習をするためのレイアウトのコツ

子どもがリビングで快適に勉強できる空間をつくるには、間取りの工夫が欠かせません。新築住宅を計画するときには、次の3つのポイントを意識すると、リビング学習にあったレイアウトにすることができます。
- スタディスペースを設ける
- 明るさを確保する
- 収納スペースを近くにつくる
レイアウトのコツを、詳しく見ていきましょう。
スタディスペースを設ける
リビング学習を快適に続けるためには、専用のカウンタースペースを設けるのがおすすめです。ダイニングテーブルをそのまま使うよりも、学習に集中しやすく、親も家事の合間に子どもを見守ることができます。
キッチン前やリビングの一角に横長のカウンターを設置することで、兄弟で並んで使える学習環境を整えることも可能です。また、スキップフロアや階段ホールなど、家族の気配を感じられながらも少し独立したスペースに設置すれば、適度な集中力も確保できます。
後から仕事や趣味の場所として使えるように、収納や照明、コンセントの位置なども計画的に整えておくと、将来的にワークスペースとしても使えるでしょう。
明るさを確保する
リビング学習を快適に行うためには、明るさを確保するのも重要なポイントです。暗い場所では目が疲れやすく、集中力も低下してしまいます。
特に、夕方以降や天候の悪い日には、自然光だけでは明るさが不足することもあるため、スタディスペースには手元をしっかり照らせる照明を設置しましょう。リビングの照明だけに頼らず、デスクライトや壁付けライトなどを活用するのがおすすめです。
明るい空間は学習意欲を高め、子どもが前向きに勉強に取り組める環境づくりにもつながります。
収納スペースを近くにつくる
リビング学習をスムーズに行うには、収納スペースを近くに設けることが大切です。スタディスペースのすぐ近くに棚や引き出しを設置すれば、必要なものをすぐ取り出せて、使い終わったらすぐに片付ける習慣も身につきます。
限られた空間でも、壁面収納や可動棚などを活用すれば、コンパクトに整理整頓が可能です。使いやすさと片付けやすさの両立が、学習環境を快適に保つコツです。
リビング学習スペースを作るなら建築会社に相談しよう

リビング学習は、子どもが安心して勉強に取り組める環境づくりに効果的で、集中力や学習習慣の定着にもつながります。親の目が届きやすく、わからないことをすぐに聞ける点も魅力です。
一方で、片付けやレイアウトの工夫が必要な点もあるため、収納や明るさ、学習専用スペースの確保などを意識して設計することが大切です。子どもの成長に合わせた学習環境を実現するためには、間取りや設備について柔軟に対応できる住宅づくりが欠かせません。理想のリビング学習空間をつくるなら、建築会社へ相談してみましょう。
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